飲食店の経営コンサルティング / ジーコンサルティング株式会社 / 渋谷区恵比寿 / 提携税理士:呉税理士事務所

不動産物件の決定方法

店舗物件の決定

物件の選び方

物件の選び方準備段階で決めたコンセプトに合致した立地を探すのを心がけましょう。
レストランと弁当屋のように、店のコンセプトによっては同一立地条件でも成功の可能性は大いに変わってきます。
店のコンセプトを踏まえた上で、物件の立地、視認性、取得金額、物件の過去履歴、周辺の飲食店の稼働状況、物件周辺の平日・休日の通行者の動きを観察し、総合的に判断してください。
立地の選択にあたり、駅周辺・1階・スペース・お値ごろの賃料等を希望すると思いますが、全ての条件をクリアする店舗物件はなかなかありません。立地条件が悪い店舗でも成功している店舗はたくさんありますので、あくまでも店のコンセプトに合わせた上で、希望条件の優先順位をつけて物件を選びましょう!
なお、駅前等の好立地にも関わらず、何故か店の回転が速い物件があることがあります。不動産事業者や物件の周囲の人にその店舗の履歴は必ず確認しておきましょう。開業後の場所変更は容易にはできませんので、物件に関する疑問点・不安点は少しでも解消しておきましょう。


適正な賃料での契約−家賃は月間売上の8%以内(理想は5%)で収めるのが原則

物件の家賃は売上の好不調に関わらず、毎月固定費として支出しますので、事業計画・資金計画に多大の影響を及ぼします。賃料の決定は慎重に行いましょう。
店のコンセプトにもよりますが、賃料は月間売上の8%以内に収めておくことが無難です。つまり賃料の12.5倍の月間売上が必要となります。
なお、月間売上を物件の坪単価に置き換えた上での賃料算出も可能です。
例えば、1坪当たり月間目標売上を25万円とするならば、探す物件の賃料の目安は、坪当たり2万円までという計算が理想となります。ただし、東京都内のような大都市圏の場合、その坪単価では物件を探し当てるのは厳しいかもしれません。月坪売上げ20万〜25万円を目安に、賃料の上限を1坪当たり1万6,000円〜2万円で探すのが現実的です。これはあくまでも目安です。計数管理にあまり左右されすぎないで頭の片隅に置いておく程度にし、自分の感覚を大事にして下さい。

居抜き物件の場合

居抜き物件の場合居抜き物件とは前賃借人の設計・内装・備品をそのまま現状引渡しとする物件です。居抜き物件のポイントは投資額が新規物件に比べて安く済み、通常の約半分で新規出店が可能となります。
ただし前賃借人が何故事業から撤退したのか、その原因を考察してからでないと前賃借人と同じ災難に遭いますので注意が必要です。上述したとおり、造作譲渡の場合、当然、厨房・空調・排気等諸設備一式の確認が必要です。引渡し後、故障箇所が発覚しても費用請求はできない契約書が一般的です。その他に売却対象物品を一覧表にし、売却物品を明確にすることは必要です。この手のトラブルはよく耳にしますので開業相談を必ず行って下さい。

物件の契約の注意点

採算と資金調達の目処がたつと物件の契約ということになりますが、融資案件の場合には万が一ということもあるので、融資が下りてから契約ということを最初の時点ではっきりさせておくことが大切です。
また、造作譲渡が可能かどうかという点もポイントです。造作譲渡が可能であれば、止む無く撤退となった場合、保証金の戻りのほかにいくらかのお金が手元に残ることになるからです。それが出来ない場合は、そのことを理解したうえで契約することが大切です。
契約時にかかるお金として仲介手数料、家賃、家主への預託・貸付金の3種類があります。
普通の賃貸物件の契約の場合は家賃の1ヶ月分が手数料ですが、居抜きで売れる場合や居抜きで買う場合は、金額の%手数料になっている場合もあるので事前に確認が必要です。
また、家賃についてですが、契約日はしっかりと考え交渉すべきです。店を決めてから店舗デザインの詳細に入るわけですが、予定より時間がかかることがままあるため経費を抑える意味で、家賃の発生時期を遅らせることは重要です。
最後に、家主への預託・貸付金ですが、これには4種類、保証金、敷金、協力金、礼金というものがあり、保証金という形が多く一般的です。

物件の契約のチェックリスト

チェック1 (保証金)

契約時にオーナーに担保するために預けるお金です。保証金は、更新時・解約時等、一定割合を償却されるケースがほとんどですので、あらかじめ償却内容を相談しておきましょう。また解約時の返還時期も要確認です。

チェック2 (敷 金)

保証金と同様、契約時にオーナーに預けるお金です。解約時に原状回復費用と差し引かれて返還されるケースが多いです。解約時にトラブルにならないよう、敷金の差引・償却内容について相談をしておきましょう。

チェック3 (管理費・共益費)

家賃と共に毎月支払うお金で、入居先建物のメンテナンス等、入居者全員が負担しなければならない建物の維持費です。具体的にはエレベーターのメンテナンス、廊下や階段の電灯の電気料、火災報知器の点検などがそれにあたります。

チェック4 (礼 金)

賃借人が賃貸人(オーナー)へ賃貸借契約を締結してもらったお礼として支払うお金です。 賃貸人から返還されませんので、できるだけ安くできるよう開業相談しましょう。

チェック5 (更新料)

賃貸借契約の契約期間終了後、当該契約更新時に賃借人から賃貸人に支払われるお金を更新料といいます。通常、都心では新賃料の1ヵ月〜2カ月分に相当する金額が多いですが、契約時に確認しておきましょう。

チェック6 (造作譲渡料)

造作譲渡とは開業にあたり投資した内装工事や什器備品を次の賃借人に買い取ってもらうことです。造作譲渡が可能であれば、撤退を余儀なくされた場合、保証金の返金と別にいくらかのお金が手元に残ることになり有利です。
但し、後継の賃借人に内装を売却することを賃貸人が容認している契約と全く造作譲渡を認めず原状回復を義務とする契約があるので、契約時に十分な注意が必要になります。  特に契約時に造作を譲り受ける場合は、譲り受ける備品が正常に機能するか確認が必要となります。

チェック7 (名義書換料・名義変更料)

造作譲渡が発生した場合、造作を売却した前賃借人が賃貸人に支払うお金を名義書換料といいます。厄介なのは、名義書換料の料率は特に決まってなく、契約時において保証金又は賃料の何%と明記しているケースが多いことです。解約時のトラブルを避けるため、契約時に相談しておきましょう。

チェック8 (協力金)

一般的に保証金・敷金と同様の扱いであり、契約時に一定の金額を支払い、数年据え置きを経て、返還(家賃と相殺されるケースあり)されていきます。
中途解約をすると未返還分につき、賃借人は返還しなくともよい契約がほとんどですので、くれぐれも注意が必要です。初期投資時に「協力金」として資金がとられるのも痛いところです。

 

設備容量等関連のチェックポイント

チェック1 (電気容量)

使用予定の設備等から店全体の電気容量を概算します。建物内の店舗部分につき電気容量が不足する場合は追加工事で多大な費用が発生します。費用負担についてはオーナーと相談が必要になります。

チェック2 (ガス容量)

電気容量と同様、使用予定設備等からガス容量を概算して、店舗部分のガス容量が不足していないかどうか確認します。不足している場合はビル全体のガス管工事の恐れがあり、多大な費用負担が発生する可能性があります。必ず開業相談を行いましょう。

チェック3 (吸・排気口)

吸・排気口の有無又は位置で厨房や客席に影響を及ぼすことは勿論、煙・臭いで近隣住民よりのクレ−ムの一因となります。
焼き肉や焼鳥を扱う業種は、特に排気ダクト・換気扇等の確認と近隣住民への事前説明は大切です。

チェック4 (給・排水)

実際の営業で必要とされる容量が不足してないか確認しましょう。店舗使用の場合は、一般的には給水管15mm以上、排水管75mm以上の配管が必要となります。飲食店の中でも焼肉店、焼鳥店、居酒屋などは給・排水に多大の負担を要し、店舗の容量が不足となると追加工事で多大な費用が発生します。

チェック5 (空調機)

空調機の有無の確認及び冷暖房で店内に死角が無いかどうかの確認が必要です。既に設置されている場合は、保守点検費用を負担するかどうか確認しましょう。お好み焼きや焼肉などのテーブルごとに火をおこす業種の場合、夏場に店の隅々までクーラーが行き届くかは開業時に相談しましょう。

チェック6 (看板掲載・入り口使用範囲)

店の看板・標示物は集客の重要なツールです。看板設置・店舗入口部分の使用可能範囲を契約時賃貸主に相談をしておきましょう。

 

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店舗の内装工事

業者の選び方

業者の選び方店舗のデザイン、設計、施工については初めての方が多いかと思います。先ずは、飲食業界に籍のある知人や信頼できる人に業者を何人か紹介してもらうことをお勧め致します。また気になる店を見に行くかwebで検索して、自分が手がけようとする業態・店舗で実績のある業者や飲食関係のコンサルタントに相談をしてみるのもひとつの手です。フィーリングが合う業者を選ぶべきです。
内装工事の発注は、設計から工事まで一括して発注する方式と、デザイン・設計・工事を分離発注する方式に分かれます。開業が初めての方は、デザイン・設計・工事と総合的に相談に乗ってもらえる業者をお勧め致します。店のコンセプトが反映されるように、設計業者とは何度も打ち合わせを重ね、信頼関係を構築しておくことが大切です。 (くれぐれも予算の範囲内で…店舗がきれいなだけではお客様は来店してくれません)


店舗の設計

お客様を出迎えてから調理、料理を提供、お客様をお見送りするまでの一連のサービスを全て割り出しておきましょう。設計業者との打ち合わせの際には、要望を紙にまとめておき不明点は必ず確認しておくことです。店が完成してから、「当初考えていたサービスが提供できない!」ということにならないように、設計の段階で何度も相談をしておきましょう。
具体的には、飲食店の最重要機能である「厨房の施設作り」を行った上で、スムーズに料理を提供できるように客席の位置・面積配分を決めることが重要です。厨房面積は、料理のメニュー数、調理方法、食材の配送サイクル、冷蔵・冷凍の保存方法などを考慮して決定します。厨房・客席の面積配分が決まると、あとはサービスの流れを踏まえた上で、働きやすさ、作業の効率性を検討しつつ各施設の機能毎にレイアウトをしていきます。

一般的な厨房面積の割合(あくまでも目安です)

     ファミリレストラン  45〜50%
     居酒屋       25〜30%
     喫茶店       15〜20%

一般的な設計費の考え方

一般的な設計費の考え方としては
 1施工費連動方式:
   施工費の金額に料率をかける方法(8〜15%ぐらい)
 2坪単価方式:
   坪あたりの設計料を決める方法(5万〜10万ぐらい)
 3基本設計固定方式:
   基本的な設計は固定し、それ以上のことになると坪当たりの設計料を加算する方法
などがあります。

各セクションの機能を考慮した設計

レセプション・キャッシャー

店全体が見渡すことができ、お客様を手際よく案内し、気持ちよく送り出せるように配置。

サービスステーション

客席と厨房、ディッシュウオッシングやキャッシャーとの作業の流れ、動線を確保した配置にします。

クッキングアセンブリー

メインメニューの内容と付け合せ、作業人数を考慮した配置にします。

ディッシュアップ

オーダーと料理の出来上がるタイミングをコントロールできるような配置にします。

デザートパントリー

客席と厨房、デッシュウオッシングやキャッシャーとの動線を確保した機能的な配置にします。

ディッシュウオッシング

使用後の皿が片付けられてすぐに洗浄される効率的な配置にします。

スタッフル−ム

事務室、着替え室、休憩室についてのスペースはある程度余裕をもたせた配分にし、気持ちよく働いてもらう環境を整えることが必要です。(実際は難しいですけど、さりげない思いやりなどでスタッフの皆さんがちょっとでも癒される工夫が大切です。)

内外装

店舗デザインは、店のコンセプト、メニュ−や客層を考慮し、メンテナンスが安く済むようにしてください。

厨房・客席

通常のオペレ−ション業務が不便な配置では、必要以上のスタッフ採用による人材コスト高、顧客サ-ビスの低下につながります。
自分が料理長で無い場合には、料理長と厨房の配置についてしっかりとミーティングを持つことが大切です。

空間の快適性

特に夏季に確実に機能するかどうかがポイントです。
  1.空調:温度の管理が可能で快適な温度状態を提供できるようにしてください。
  2.給排水:給水と排水のバランスを保つことができ必要な水の提供ができるようにしてください。
  3.給排気:臭いや煙の処理が適切に行われ快適な空気状態を提供できるようにしてください。

業者との契約の注意点

設計者や施工会社の契約上の注意点
設計者との契約---設計業務の内容と範囲、設計料の支払条件、解約条件
施工会社との契約----工事請負範囲と内容、工事請負契約料の支払い条件、工事延滞の場合の責任負担、引渡し後のメンテナンス体制、最終施工図の提出

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