新規飲食店の開業相談
飲食店を開業する動機として「自分の思いを実現させたい」「自分がトップに立って店を動かしたい」など様々なものがあると思います。各人の強烈な思いがあるのを前提に、下記の事項をご理解頂ければ幸いです。
廃業率が開業率を上回る飲食店の厳しい現実
開業後、10年以内に存続している飲食店はおよそ10%未満という厳しい現実があります。
他業種と比較して飲食店は開業率が高いですが、また廃業率も異様に高く、単に努力しているだけでは、あっという間に閉店を余儀なくされます。
志しむなしく廃業するのが一般的であり、生き残るためには、常に危機感を持って取り組む必要があります。
飲食店経営の準備・心得
1.未経験者は厨房又はホールの経験を積むべし
どの業界もそうですが、ある程度は経験がものを言います。全くの未経験者はいきなりの独立はせずに、ワンステップとして期間限定の修行を積むことをお勧めします。実際に経験することで自分のイメージとのズレが把握でき、足りないもの、気づいたことなどがでてきますし、売上、原価率、利益率といった数字に慣れることも重要です。
2.自己資金を積み立てておくこと
開業以降、売上が増加するまでは、資金繰りに悩まされます。独立前に自己資金を確保しておけば、精神的に余裕が出来るのは無論のこと、金融機関より融資を受ける際に大きな信用になります。何よりも早い内にお金を管理しておく習慣を身につけておけば、今後の店の経営に十分役立ちます。
3.経営者としての訓練を積むこと
サラリーマンとは異なり経営者は、最終的に自分で決断・行動を迫られます。独立する前の勤務している時から、常に自分が経営者ならどのような判断をするのか、どのような行動をしなければいけないかを意識して仕事をしましょう。
成功の秘訣は行動し続けること
開業する人は「成功したい」と願って開業するのですが、実際は「立地が悪かった」「味に特色なし」「最初にお金をかけすぎた」など等失敗した人がほとんどです。では、どうすれば失敗する可能性を下げることができるか?
それは失敗の反省とその修正を行うこと、それを飽くまで繰り返し続けること、です。
一度や二度のアイデアや改善では、あっという間に他店のライバル店に追い抜かれ、お客様にも飽きられてしまいます。生き残るためには、お店をよくするためにはどうすればよいか、毎日、追及・実践をしていく必要があるのです。
開業当初は、あせらずに、無理をせずに、親類・知人・前職のお客様などのリストを多く保管し、その方々にご来店してもらいながら、常連のお客様をゆっくり作り上げていくことが大切です。内装にお金をかけてもすぐに売上が上がるということはありません。初期投資は極力抑えるべきです。
飲食店が起動に乗るのにはおよそ3年程度はかかります。先ずは「3年持たせるためにはどうすべきか?」そして失敗の反省とその修正の繰り返しを愚直に実行し、売上、原価率、利益率をしっかりと管理していきましょう。